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鷹崎キャンパス内、職員室

からからりと扉を閉めて、ようやく解放された。

ちなみに六華は鹿苑寺キャンパス。
此処は鷹崎キャンパス。
キャンパスが違うと、当然だが場所も違う。
今日は担任のお願いを断りきれずちょっとしたお使いにきたわけだ。
その結果。

「……食券」

を、鷹崎キャンパスの先生にいただいた。
この時間でもまだ食堂は空いてるらしく食べていっていいらしい。
交通費も出してもらってるのでお財布に優しい事だ。
おなかもすいたし、是非是非食べていきたいのだけれど。

「2枚。2食分も食べられない」

袂から取り出したるは2枚の食券。
奮発して2枚もくれたのはいいのだけれど、これ、使用期限が今日だ。
…………ただの在庫処理だったんじゃないかな。
あの先生、奥さんいるらしいから夜は自宅だと思うし。
ふらふらとキャンパス内を歩きながら、とりとめのない事を考える。
差し当たり指で摘んだ食券をどうするか。

「……どこ、ここ」

あと絶賛迷子中なのをどうすればいいか。
よもやキャンパスが違うだけでこうも感覚が違うとは露とも。
教室の学年を見るに高等部のようだけど。

「あ」

そういえばそうだ。
鷹崎キャンパス高等部には知り合いがいる。
霜月・蒼刃。
いつも六華と遊んでくれる面白おかしい人。
すごく良い人で、一緒にいるとなんだか楽しい感じ。
ただ最近女装してた。
似合ってた。
なんだか悔しかった。

「忘れよう」

そういえば彼はこのあたりにいるはずではなかったか。
目の前のクラスは2年3組。
さすがにクラスまでは覚えてないけど、学年は一緒。
きっと聞いてみれば教えてくれるだろう。

「すんなり誰かに聞けるあたり、六華も成長したのかな?」

人見知りだったのだけど。
最近は、前よりも誰かと話せるようになってきた。
それは……うん、良い事だとおもう。
ちらりと教室を覗けば、まだちらほらと人が残っている。
放課後なのに賑やかだ。
それを確認して、軽くノック。
別キャンパスのお兄さんお姉さんのクラス。
うん、失礼がないように。

「失礼します。霜月――――」

その時、不思議な事が起こった。

「――――お父様はいらっしゃいますでしょうか」

……。
…………。
………………。
おかしい、賑やかだった教室が静かに。
水を打ったよう。
静寂、静寂。

「あ、あの」

途端。

「シィィモォォツゥゥキィィィィ!! テメェェェッ!!」
「探せ! 探し出せ! いや炙り出せ!!」
「あ、そうあたしあたし。そっちに蒼刃クンいない?」
「そそ、しもつきん見かけたら即連絡もらっていーい?」

あ、ああ、あああなんだかたいへんなことに。
楽しげだった放課後キャンパスライフが阿鼻叫喚な。
ごめんなさい霜月さん。
なんだかわかりませんが貴方の教室だったようです。

「あ、ごめんね。今ちょっと連絡取ってるから待っててね」
「はい、いえ、そうではなく、あの、この騒ぎは……」
「……待っててね?」
「…………はい、待ってます」

お姉さんから静かな圧力。
能力者だろうか。
と、廊下がどたばた騒がしい。
ああ、戻ってきてしまったのですね。

「何の騒ぎなんだ? とにかく戻ってこいなんて」
「何の騒ぎじゃねぇぇぇぇ! 誰だ! 誰が母親だ!」
「そうよこのハーレム! いえ、ハーレマー!」
「ハーレマー!? いや何の話だよ!? っていうか母親!?」
「この子だよ! ちくしょうこの天然フラッガー羨ましいなぁぁぁぁぁ!!」
「まさかネグレクトとかなら許さないよ女子一同!」
「フラッガー!? いやネグレクトとかもう一体全体なんなんだ!?」

そこで、はたと目が合った。

「やはり此処でもハーレマーフラッガーなのですね」
「お前か六華!?」
「すみません、ついうっかりこのような事態に」
「それ絶対うっかりじゃないだろう!?」

ぐわし、と霜月さんの肩に手。
おそるおそる振り返る彼の眼には何が映ったのだろう。
六華はお姉さんに飴をもらっていたので見ていない。
見ちゃダメだよ、と言われたので素直な六華は見てない。
あ、おいしい。

「六華ちゃんって言うの? しもつきん優しくしてくれてる?」
「あ、はい。膝枕拒まれたり好きっていうと疑われますけど優しくしてもらってます」
「うんうん、他には他には?」
「撫でてくれたりしますよ。色んなところをいっぱい」
「ふぅん……だってさー、みんなー」

呼びかけに応える声は力強い。
そしてまた、乱れもない。
良いクラスだと素直に思えるくらい、一致団結協調性豊か。

「やめてくれ六華!? 誤解、誤解だろう!!」
「誇大誇張です。まるっきり嘘というわけでも……それにしても人気ですね」
「これ人気じゃないからな! おい、ちょ、痛い、痛いって!」
「ちょっと蒼刃、紹介してよー!」
「そうだよなんでこんな娘いるって黙ってたんさ!」
「だから娘じゃないからな!?」
「娘じゃ、ない……のですね」
「泣かないでくれ六華!? 俺がまるで悪者みたぎゃー!!」

喧々囂々。
閑話休題。

「それで、これが目的だったわけか」
「はい、いつもお世話になってるので一緒したいな、と」

ところ変わって食堂。
六華の着物の袂にはお菓子いっぱい。
霜月さんには傷いっぱい。
なんだか申し訳ない気分もいっぱい。
いっぱいいっぱい。

「気持ちはありがたいんだがな。何だったんだ、あの騒ぎは」
「……不思議な事が思ったのです」
「そうか。六華がそういうのなら、そういう事にしておくよ」
「ごめんなさい。ありがとうございます」

ぱくり、とオムライスを口に運ぶ。
ちなみに霜月さんは肉じゃが。
新婚さんに飢えているのだろうか、とかふと思う。
男の人が女の人に作ってもらいたい料理上位の鉄板。
最近カレーに抜かれたとの噂もあるけど。
一応、そのふたつなら人並みには作れる……お礼に作ろうか。
ああでもなんだか嫌がられそうだし、うーん。

「なんだ、美味しくないのか?」
「……? いえ、美味しいですよ?」
「なら、いいんだけどな。眉根寄せてたから気になったんだよ」
「考え事していました。無作法でしたね、すみません」
「い、いや、別にいいぞ?」

妙にびくびくしている。
あれだろうか。
六華から見て霜月さんの奥にいる一団の重圧だろうか。
2年3組の皆様。
優しい、お菓子くれる。

「頑張る」
「いや、何をかわからないけど頑張らないでいいからな?」
「あーん」
「だから頑張らないでいいかぐあっ! な、投げるな! 物を投げるな!」
「娘が食べさせてくれるってのに断ってんじゃねぇぞ!」
「そうよ! そこは笑顔で受けるのが父親ってものよ!」

ひく、と霜月さんの頬が引き攣る。
さすがにあまりやりすぎてもよくないし。
大人しくしてよう。

「ごめんなさい霜月さん。そろそろ控え、」
「いただくよ」
「……ます?」

差し出したスプーン。
上半身乗り出した霜月さん。
咥えられたスプーン。
当たり前だけど妙に近い霜月さん。

「え、あ、ぅ?」
「お、美味しいなこれ。今度また俺も食べてみよう」
「おい見たかさすがナチュラル女殺しだぜ」
「守備範囲めっちゃ広いわね、蒼刃クン……さすが我が組のエース」
「……? 六華? おーい、どうしたんだ?」

素。
これが、きっと、素。
ああ、これは、本当に、もう。

「霜月さん」
「ん?」
「六華は大丈夫です。が、他の方へは気をつけてください」
「何がだ?」
「そういうとこです。無自覚は時に罪です」

うんうん、と頷く皆様。
苦労されたに違いない。

「よくわからないが……あれかな。間接キもあ」

ぺちり、とその口を手のひらで塞ぐ。
六華は8歳だ。
だから当然だけど、そういうの、苦手で。

「もう一度だけ言いますね? そういうとこです」

ああもう、顔が熱い。




今日の日記。

〝霜月さんは色々すごいけどすごくない〟

刺されないか心配。




*霜月・蒼刃さんが六華の父親のような存在というのは
*あくまでネタ的な非公式の設定となっています
*これらの設定をシルバーレイン本体の
*結社などに持ち込む行為はお控えください
*以上、六華の背後からのお願いでした
*それでは六華ともどもこれからもよろしくお願いします
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細氷・六華

Author:細氷・六華
株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』のキャラクターブログです。
この手のゲームが好きでない方、なりきりとかが好きでない方はお気をつけくださいませ。

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