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懐いている人がいる

基本的には人見知りの六華が、懐いている人が3人ほどいる。

そのうちの、ひとり。
出会いは本当に偶然で。
それからの繋がりも、決して深いものではなくって。
ただ細く長く、そんな付き合い方。

GTで一緒してもらったり。
たまにお手紙を書いてみたり。
でも最近、結社に誘ってもらって繋がりが深まって。
前より、ちょっとだけ近づけた、そんな人がいる。

そんな大切な人と、学園祭で会った。

「リッカ? どうしたの?」
「…………むー」
「ふふ、せめて拗ねる理由を聞かせてくれないかしら」

困ったように笑うのは、アルステーデ・クロイツァーという女性。
ずっとクロイツァーさんと呼んでいたけど、最近アルスさんって呼んでる。
そう呼んでいいわ、って言われたから。
黒いお姉さん。
とても強くて、バイト繋がりで六華の装備を見繕ってくれたりもする。
優しくて強くてかっこいい六華のお姉さん。
ちなみに美人さん。
六華の憧れでもある。

「何でですか?」
「何で、って何がかしら」
「学園祭です。お祭りです。水着コンテストです」
「そうね……とても可愛らしいわ、リッカ。結っても似合うのね、髪」
「う、あぅ、その、ありがとうございます」

うん、まあ、憧れのお姉さんに褒められるのは素直に嬉しいわけで。
水着姿という事も相まって照れてしまう。
似合うって言われちゃった、髪形。
嬉しいな。
…………って違う、違う。

「アルスさん。どうして……どうして、水着ではないのですか?」
「え?」

首を傾げられた。
まるで考えてすらいなかったとでも言いたげな、虚を突かれた顔。
そんな仕草さえ、そんな表情さえ、様になる。

「見たかったです。アルスさんの水着姿、見たかったです……」
「あたしの水着姿だなんて。見て楽しいものではないわよ」
「楽しいとか、そういうのではないんです。六華が、見たいんです」
「絶対に嫌、というわけではないのよ? ただ」

ほんの少し。
身体を掻き抱くように。

「ただ、あまり肌を晒すのは、ね」

う、そう言われてしまうと六華としては何も言えない。
言えない、けどやっぱり見たい。
だってアルスさん背高くて、細くて、スタイル良くって。
大好きなお姉さんの綺麗な姿をみんなに見てもらいたくて。
ああでもそんな姿は六華だけが見ていたいとも思うけど。
うー。

「ら、来年。来年は、期待してていいですか?」
「もう、どうしてリッカはあたしを脱がせたがるのかしら」
「脱がせ……いえ、その、えっと……えっと」
「リッカ?」

どうすれば着てくれるだろう。
いや、無理に着せていいのか。
引くのが正解か。
でも此処で引いたらアルスさんの水着姿が見れない。
うん、それは、やだ。

「見たいから、です」
「リッカ」
「見たいんです」

だから、素直に。
甘えてしまえ。

「優しくて。強くて。綺麗で。かっこよくて」
「……あたしは、そんな大層な人間じゃないわ」

首を振る。
六華の気持ちだ。
だから、アルスさんにどれだけ否定されようと。
嘘偽りなんて、ひとつもない。

「大好きな、憧れのお姉さんの水着姿。そしてプールに行きたいです」
「本当に……困る、わね」
「ごめんなさい。本当に、本当に嫌でしたら忘れてください」
「……そう」
「六華の我侭ですから。来年まで、頭の片隅にでも置いてくだされば、それで」

これくらいが、限界。
これでも既に甘えすぎ。

「ん、それでは六華はそろそろ行きますね。色々とごめんなさい」

踵を返す。
何か言われるのが、ちょっと怖くて。
一歩を踏み出して、

「リッカ」

呼び止められた。

「ありがとう」

本当は、何も言わないで立ち去るのがいいのだろう。
アルスさんもそれを望んでいるだろう。
でも、でも。
そんな嬉しい言葉をかけられて大人しくさよならなんて、出来ない。
つい振り返って、走り出して。

「えへへ」
「……全く、締まらないでしょう?」

困った声と、困った表情で、ちょっとだけ髪を撫でてくれる。
そんな幸せな時間を――――もうちょっとだけ、一緒に。
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細氷・六華

Author:細氷・六華
株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』のキャラクターブログです。
この手のゲームが好きでない方、なりきりとかが好きでない方はお気をつけくださいませ。

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