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冬風が心地よい夜

一般技能、家屋潜入。

それは六華が寝床を確保する為に有している若干犯罪的な技能。
別に潜入しなくても、寝るところはある。
結社によっては終日誰かしら待機しているところもあるのだから。
ただそこに行って眠ればいいだけの話。
でも何だか楽しいから潜入しているわけである。

「しかしこれは潜入というか」

結社、夕陽に舞う鴉。
水道や電気が生きていて寝れる場所は古びた空き家だ。
必然的にただこっそり入り込むだけに。
まあ、苦労が減るからいいのだけれど。

「さて、何処で寝…………」
「ん?」

がちゃり、とドアを開いた先。
ああうんノックもせず誰がいるかも確認せずドアを開くのは礼儀に欠ける。
マナー違反だ。
だからこれはきっと全面的に六華が悪い。
故に見なかった事にしよう。
そう、決めた。

「ごめんなさい失礼しました他言無用にします」
「うおおおおちょっと待て六華!!」

楽しそうに化粧している身長180cm超過の男性なんて見ていない。
几帳面にウィッグの調整をしている短髪の男性なんて見ていない。
真剣な眼差しでフリルのお洋服を吟味する以下略。

「ち、違うんだ! いいかコレは仕方なく!」
「ええ、六華はわかっています。故にお気になさらず」
「そんな目で見ないでくれ。そして頼むから俺の話をだな」
「……はあ、構いませんが」

どんな目をしていたのだろう。
気になるところだが化粧してウィッグつけたけど男物の服。
そんな彼に促されるまま室内へと入った。
状況的には色々な意味で身の危険を感じないでもないが大丈夫だろう。
しいて言えばこの状況を第三者に見られるのが一番危険かもしれない。
六華にそういう趣味はないのだけれど。

「うん、つまりこういう事なんだよ」
「六華の時間は眠気に襲われるまで空いてますのでゆっくりどうぞ」
「うん、ありがとう。まあ俺、南雲・レイジは罰ゲーム中なわけだ」

南雲・レイジ。
結社の知り合いで、六華がよくお話をする人のひとり。
そして六華の知り合いの中でも屈指の強さを誇る人。
最近知ったが時折へたれる。
加えて女装がお好き。
こうして情報を統括してみると……極めて変人かもしれない。

「六華、何か失礼な事を考えてないか?」
「これでも誰も踏んでいない新雪の如き純真さと評判ですよ?」
「そ、そうか、それならいいんだが……で、わかってくれたか?」
「罰ゲームで女装をする事になったので、已む無く女装、と」
「ああ、そうなんだよ。ホント困るよなあ」

その割に気合入りまくりですね、と心で思う。
その上に何故そんなに女装慣れしているのですか、とも心で思う。
普通の男性は化粧の仕方なんて知らない。
六華もまだ化粧なんて、わからない。
わからないが子供心に先ほどのメイクテクニックは凄いとわかった。
……やはり趣味なのだろうか。

「お、そうだ」
「六華は元々女の子なので遠慮します」
「違うぞ!? ただ服を選んでもらおうと思っただけだからな!?」
「ああ、しかし六華は見ての通り無頓着ですよ?」

基本、常に同じ和装だ。
細部が違ったり色々とあるのだが基本的には大差ない。
とはいえ洋服や華やかな和装に興味がないわけでもないのだが。
どうしても着慣れた物がいいという話。

「いや、いいんだ。俺もメイド服に飽きてきたからなあ」
「和装で新境地を開拓ですか」
「そういう事になる。どうだろう、頼めるか?」

嬉々としている。
というか飽きるほどメイド服を着ているという事はやはり趣味か。
いや、他人の趣味に彼是と言う気もない。
人それぞれなのだ、六華が野宿好きなように。
例え南雲さんが女装を趣味としていても。

「六華はたぶん味方ですから……」
「い、いや、そんな若干自信なさそうにしかも唐突だなあ」
「お気になさらず。では選びたいのですが着替えはどちらに?」
「ああ、こっちこっち。誰の仕業か大量に用意されるんだ」

こつん、と南雲さんが床に置かれたスーツケースを蹴った。
5回蹴った。
かちゃり、かちゃかちゃ、かかちゃり、と。
5回開いた。
つまりスーツケースは5個あった。
確かに和装は嵩張るのだが、しかし和装だけで5個もあった。

「よし、選んでくれ」
「…………」

六華は眠れるのでしょうか。





ふ、と意識が一瞬だけ飛んだ。
いけないいけない。

「うふふ、どうでしょう? 似合っているでしょうか?」
「あ、はい、とても似合っています。おかしいくらい」
「ありがとうございます。和装もいいですね、大和撫子です」

意識が飛んだのは眠気が原因というのも、もちろんある。
だがそれ以上に目の前の光景からの現実逃避が大きい。
誰だろう、この人。

「罰ゲーム用に写真を撮らなくてはなりませんのでお願い出来ますか?」
「……わかりました」

シャッターを切る六華。
ポーズを取る南雲さんらしき人。

「可愛く撮ってくださいませ」

ああ、どうしてこんな事になったんだろう――――。





今日の日記。

〝夢。夢を見ました。夢であってほしい夢を見ました〟

精神的に疲れた。
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細氷・六華

Author:細氷・六華
株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』のキャラクターブログです。
この手のゲームが好きでない方、なりきりとかが好きでない方はお気をつけくださいませ。

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