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学校帰りの寄り道

結社、居待月。

クラスメイトと別れ、そこを訪れた。
人の気配は感じられない。
とりあえず玄関脇の連絡用掲示板に目を通す。

「……やっぱり誰もいなさそう」

主だったメンバーは不在みたい。
掲示板に記載がないのは面倒だからか、まだ学校か。
たぶん後者だと思うけど……六華、今日は5時間目で終わったから。
まあ、とにかく。

「お邪魔します。それとも、ただいま?」

ふとした疑問を口にして上がりこむ。
そのまま居間に入ろうとして、つつつと引き返し。

「…………ん」

自分は居る、という旨を掲示板に記した。



何はともあれ癒されたい。
だってテストだったのだ。
テストは嫌い、特に理科と体育と音楽が。
それを乗り換えたのだから、ちょっとだらだらしたっていいと思う。
頭の中でそんな事を考えながら珈琲を淹れる。

「芳しい香り?」

良い香りの雅そうな言い回しを考えつつ。
無駄に豆から淹れているので、本当に香りが良い。
ちなみに六華の私物だ。

「お茶菓子、あったかな」

こぽこぽ。
珈琲の落ちる音を聞きながら、意識は内へ。
甘い物が食べたい。
クッキー食べたいけど、今から焼くのは手間すぎる。
うーん。

「ん? ああ、細氷か。そういえば掲示板に書いてあったな」
「あ、水里さん。こんにちは」
「こんにちは、だ。学校の帰りに直接といったところか」
「はい。勝手に入ってすみません」

気にするな、と優しく笑うのは水里・流。
六華は水里さんか団長さんと呼んでいる、結社・居待月の団長。
もうすぐ高校3年生に進級するお姉さん。
モーラットの水月さんを使役していて……とてももふもふ。
イグニッション時以外も触れればいいのにな、と。
ちなみに、とても強い。

「珈琲、私の分もお願いしていいか? さすがにテストは疲れてな」
「わかりました。お砂糖とか牛乳とか、どうしましょう?」
「甘い珈琲牛乳にしてもらえると嬉しいな。糖分が欲しい」
「そうですね。六華もそう思っていたところです」
「脳を使うとどうしてもな……ブドウ糖が摂取したくなる」

言いながら鞄をごそごそ。
そんな水里さんを見つつ、カップに珈琲を注ぐ。
真っ黒な泉。
氷みたいな角砂糖。
真っ白な牛乳。
くるくるり、とスプーンで混ぜ合わせる。
ああ、やっぱりお茶菓子も用意したかった。

「お待たせしました、水里さん。お口に合えば良いのですが」
「ああ、すまない。お礼といってはなんだがな、一緒に食べないか?」

水里さんが取り出したのは箱。
開かれた箱の中には、お菓子……クッキーがいっぱい。
たぶん六華の瞳きらきらしてたと思う。

「喜んで」
「それじゃあ頂こう」

温かいカップを両手で包むようにして一口。
甘くて美味しい。
水里さんが買ってきてくれたクッキー。
これもまた、甘くて美味しい。
疲れた身体に染み入る安らぎだ。

「ふむ、ところでテストはどうだったんだ?」
「悪くはない、と思います。一応前回はかなり良かったですし」
「そうか。あまり心配はしていないがな、細氷については」
「ありがとうございます。でも人数増えてるので、順位維持は難しいでしょう」

今回は実技もある事だ。
あまり期待はしない方がいい。

「水里さんの方はどうですか? 高校生は、難しそうですけれど」
「私は普段からそこそこやっているからな。おそらく問題ないだろう」
「さすがですね」

そういうと溜息を吐かれた。
褒めたつもりだったのだけど、何か失敗してしまったか。
即座に発言を思い返すも特に何も見当たらない。
うう、とりあえず謝ってしまおうか。

「ごめんなさい」
「……どうして細氷が謝る? 何かしたのか?」
「あ、いえ、その、溜息を吐いていたので何かしてしまったかな、と」
「ああ、すまないな。別に細氷がどうこうじゃないんだ」
「そう……なのですか?」

頷きひとつ。
甘いクッキーを苦々しく噛み砕いて、言う。
ただ、表情は優しげだけど。

「私は問題ないんだがな。問題ありそうなのが、近くにいるんだ」
「そう、なのですか」
「いや細氷もよく知ってるアイツなのだがな。今度はどうかなあ」

深い溜息。
苦労してるんだな、と。
珈琲牛乳を飲み干す水里さんを見て思う。
ただ、やっぱり表情は優しげで。
その〝アイツ〟の事は嫌いではないのだろう、うん。
見ていてわかるし。

「まったく、少しはしっかりしてくれてもいいだろうに」
「きっと今回は頑張ってますよ」
「頑張ってくれていればいいのだがな」
「明日を楽しみに待っていましょう。おかわり、淹れましょうか?」
「ああ、すまない。頼めるか?」
「はい」

甘いのを作ろう、特別甘いのを。
明日の結果がどうあれ、きっと水里さんは疲れてしまう。
たぶん成績が悪ければ、日頃の努力が足りないと。
きっと成績が良ければ、どうして毎回こうならないのかと。

「お待たせしました」
「ありがとう」

やっぱり何かしら叱って、でも優しく苦笑を浮かべるだろうから。



今日の日記。

〝テスト後のティータイムは良いです〟

でもテストは嫌い。
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細氷・六華

Author:細氷・六華
株式会社トミーウォーカーのPBW『TW2:シルバーレイン』のキャラクターブログです。
この手のゲームが好きでない方、なりきりとかが好きでない方はお気をつけくださいませ。

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